ある作家のメモ

自分用メモ

理解できないと理解できること

あいつは話が通じない、理解できない、人だと思えない、常識が違うと否定することがある。

 

話が通じないという現象は相互に発生するので、相手もこちらに対して同じことを思っている。二人とも相手を理解できていないわけだ。

 

理解できないところがある。人間だから理解に限界がある。つまり同じ人間であることを示す、これ以上の証拠はないんじゃないか。

 

犬を食べる人間を理解できない人も、鯨を食べる人間を理解できない人も、お互いが何かを愛し、何かに心を痛め、何かに無自覚で、何かを食べる人間であることは理解できる。

 

それを分かち合い、ほっと安心することができたなら。手を繋げる日も来る。

 

理解できないことは、理解の架け橋になる。

 

むしろ人間が完璧に同質に作られたものでない以上、理解できないことは、理解しあうために人間に与えられた機能だとすら思える。

 

本気で理解する気があれば。