ある作家のメモ

自分用メモ

太陽がなくなること

「いつか太陽はなくなるのでは」 古くから、そういった発想はあったようだ。 空が落ちてくる、太陽が落ちて永遠の夜が来る、といった伝説、神話は世界中あちこちにある。日本で言えば、天岩戸の逸話などが有名である。 それも無理はないと思う。少しずつ日が…

僕がすごく厳密な性格だという話

僕は厳密な性格だという話をここに書き残しておく。 昔、ヤクザの車にぶつけてしまって、トラブルになったことがあった。 ヤクザに、そいつが経営しているらしき居酒屋に連れていかれて閉じ込められ、ひとしきり脅され、個人情報を控えられる。 その後、どう…

最近の若者は問題

「最近の若者は」という文句が古代エジプトの粘土板にも確認される。というのはデマのようだが、思わず信じそうになる説得力を持っている。 新しいテクノロジーや言語に対する、老人(というか中年以降か)の抵抗感には豊富な事例がある。 ストーブが初めて…

発想上の盲点

人類の初めての調理は、おそらく炙り焼きのようなものだったとされている。 そこから鍋で何かを茹でる、鍋料理が生み出されるまでどのくらいの時間がかかったか。 数十万年である。 人類はまだ鍋を手に入れてから数千年の歴史しかないのだ。ある意味最近の技…

病気を治すということ

僕は持病をずっと抱えている。あまりにも昔から病気続きだったため、病気に対する考え方も少し人と違う気がする。 病気で一番辛いのは、薬を塗っている時だった。 薬を塗らなくてはならない、それはつまり自分が薬なしには一般人にもなれない存在だ、という…

犬と黒人と機械

ターンスピットという犬種がいる。ただ、現在はもういない。必要がなくなったからだ。 この犬は、短い脚と長い胴を持ち、車輪状の檻の中に閉じ込められる。そしてひたすらその中で走らされる。 回転する車輪の力は滑車を通し、長い鉄製の串を回す。その串に…

理解できないと理解できること

あいつは話が通じない、理解できない、人だと思えない、常識が違うと否定することがある。 話が通じないという現象は相互に発生するので、相手もこちらに対して同じことを思っている。二人とも相手を理解できていないわけだ。 理解できないところがある。人…

死凍海にて

これは僕が、一人で旅していた時の話だ。現地語でツツヌルリレ、日本語に直すなら死凍海と呼ばれる海域があった。 言葉の通りそこは極寒の風と極端な低気圧が支配する領域で、危険が大きいわりに大した魚も捕れないらしく、現地の人は誰も足を踏み入れようと…